いくつもの欠片たち

理系DINKSのつれづれ

41w1d 出産

AM6:00 起床。

同室の赤ちゃんたちの声でほとんど寝られなかった。

6時に早速助産師さんが迎えに来て陣痛室へ移動。

 

陣痛室って閉鎖された密室をイメージしてたけど

大きな窓があって眺めのいい部屋にカーテンで仕切られたベッドがいくつかあった。

静かだけど小さく音楽もかかっていて快適。

1人か2人、他のベッドにも人がいる様子。

 さっきまでの4人部屋(窓なしの廊下側ブース)からの栄転に心踊る。

これから促進剤打たれてそれどころじゃないんだけど。

 

朝食食べて準備。

9時頃、NSTや点滴やら装着されて

あぁいよいよ戦いが始まる雰囲気。

今日は陣痛つかないんだろうなぁとぼんやり考えていた。

身動きは取れないけどすることもないので携帯いじったり。

 

弱い促進剤を入れ始めて数十分。

定期的にお腹の張りはあるけど全然大したことない。

 

・・・ぼーっとするしかない私とは裏腹に

NSTの胎児心拍を見て助産師さんの顔色が変わる。

『先生来てください』と電話している。

酸素マスクをつけられて、

『お母さん、しっかり呼吸してください』

 

何が起こってる?

 

すぐに産科の先生ともう一人は麻酔科?の先生が二人来た。

 

内診。

『臍帯と赤ちゃんとの間にスペースがない、

促進剤で子宮が収縮すると赤ちゃんが苦しくなる。

今は判断できないからこのまま少量の促進剤を入れながら様子見るけど

緊急帝王切開になるかもしれない。旦那さんと連絡取れる?』

 

何の痛みも不調も感じていなかったからこの展開を飲み込むのが難しかった。

何事もなく終わらないところが私らしい。

きっと帝王切開になるんだろうと感じたと同時にちょっとホッとしてる。

 

LINEであなたと母に状況を伝えた。

二人とも病院へ向かってくれる。

 

小一時間促進剤を入れながら様子を見る。

またさっきの先生がきた。

『カイザーだな』と言っているのが聞こえた。

やはりそうなったか。

促進剤は中止し、オペに向けてそのまま待機。

 

13:15 会社から急いであなたがここへ来てくれた。

陣痛室には入れないから会えない。

オペの説明を先生から受けている。

 

13:45 ストレッチャーで手術室のある5階に移動する。

何人もの助産師さんに運ばれ、私は天井しか見えない。

6階のロビーに出た時にあなたが隣に来た。

こんな色々と繋がれた状態の私を見て心配しちゃうんだろうなと思った。

ほんの一瞬だけ顔を見て、『行ってくるね』と伝えた。

ほんとは不安だったけど明るく努めてみた。

 

オペは担当医のm医師が担当してくれた。

麻酔医が背中から硬膜外麻酔をする。

これが、、思ったより時間が長いし痛い。

麻酔の麻酔をするも、何回も長い針が刺されぐーっという嫌な痛みが続く。

まだ終わらんのかいとずっと思っていた。

 

何とか耐えきると麻酔が効いたことを確認して切開が始まった。

お腹の前に布が張られていて見えない。

結構強めにお腹をググッと押される感覚のみ。

 

そして、産声が聞こえた。

あぁ。本当に産まれたんだ。無事だったんだ。

『おめでとうございます』

少しキレイにしてもらった赤ちゃんが私の顔の横に連れてこられた。

私の赤ちゃん。

 

手術は続いている。

抱っこはできないけど、手術台の上で噛み締めていた。

涙が止まらなかった。

 

1時間ほどで(時間の感覚はないけど)手術が終わった。

 

ストレッチャーで再び6階へ戻ってきた。

あなたとお母さんが居た。

ホッとしてまた涙が出そうだったけど堪えた。

帽子かぶってタオルに包まれた赤ちゃんも居た。

初めて触った。まだむくんでてホヤホヤ。

 

私が母になった日。